祥月命日
足繁く通ったと言われている神保町の喫茶店[さぼうる]に行ってきた。ご命日なので、遠藤さんが好きだったコーヒーと自分の分のいちごジュースを注文した。店内には遠藤さんの写真が飾られており、マスターのご厚意で写真が正面に見られる特等席に移動させてもらった。私は、遠藤さんがよく座っていたという窓際の席に目をやり、心の中で9月24日に行われた講座の報告をした。
今回は介護教員の宗石光英氏をお迎えして、高齢者の老化に伴う心理および身体の変化や、かかりやすい疾病について教えていただいた。
被介護者の理解を高めるためには、受容・共感の基本に加え、「私も(誰でも)そうですよ」と声をかけることで勇気を与えると言われている。そんな一般論を頭の片隅に置きながら、一聴講者として宗石先生の講義をお聴きしたが、途中からそんな理屈はすっかりと忘れ、人の心を和ませるユーモアに富んだお話で会場はたちまち穏やかな雰囲気に包まれた。認知症の特徴と接し方を「自身がこんな状態になったら」の視点で、実践的かつ、平易にご教示下さった。講座後のアンケ−トからも「難しく考えがちなテーマを逆算思考のわかりやすいご指導で腑に落ちた」と会員からの感想が多く寄せられた。
マスターが「背が高くてね、曲がったことがお嫌いな方でしたよ」と仰っていた。
遠藤周作さんの提唱した「こころあたたかな医療を願う」からスタートした活動を継続していく中で、一旦立ち止り遠藤ボランティアで出来ることは何かを再考する有意義な時間となったと思った。
講座係 山崎